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2010年06月 アーカイブ

流漉き(ながしずき)

JISによると、「和紙は靱皮繊維を原料とし、ねり(植物粘液)を用いて手すき法によって作られた紙」と定義されています。

靱皮繊維のように長い繊維は水に分散しがたく、塊になりやすいです。

また、すき上げた紙は厚さむらができやすいのです。

ねりを加えると、長い繊維も良く分散します。

和紙が薄くてもむらのない一様な地合の良い紙であるのも、ねりを加えているからなのです。

ねりを加えると、すき上げた紙層からの脱水が遅くなるので、すき上げるとき、落着いて操作できます。

これによって多様な和紙をすくことが可能になりました。

流漉きは、簀(す)を張ったすき枠で、紙料(繊維を水に分散させたもの)をすくいとり、すばやく、均一に広がるようにし、余分の液を舟(紙すき槽)の中へ戻します(初水)。

第2回目のすくい上げを行い、枠を前後にゆすり、残った液を枠の向側から舟の中に戻します。

さらに、第3回目のすくい上げを行い、同様に縦横にゆすります。

適当な厚さになったならば、最後に余分な液を舟の中に戻します(捨て水)。

これが流漉きで、すき上げた湿紙は紙床(しと)に移し、脱水して乾燥させます。

nagasi.JPG

溜漉き(ためずき)

今回は溜漉きの方法について。

溜漉きの場合は、第1回の紙料のすくいとりは同様ですが、第2回からのすくい上げた液は縦横にゆすり、適当な厚さにします。

(溜漉きでは、すくい上げた紙料は全部すかしとる訳です。)

これを舟の側に立ててある板に立てかけて水を切って、紙床に湿紙を移し、脱水して乾燥させます。

局紙の場合は粘液を用いないので、1枚ずつ木綿の布をかぶせて湿紙を重ね、見水して乾燥させます。

流漉きではすき上げた湿紙を重ねて、そののち脱水しても紙は1枚ずつきれいにはがすことができます。

溜漉きでは、湿紙1枚ずつの間に布をはさまないとくっついてしまい、うまくはがせないのです。

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