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2010年08月 アーカイブ

ドコで作った紙なのか?

前回の紙のプロは、ほかにもこんな鑑定を依頼されたことがあるそうです。

捜査で集めたこれらのメーカーの紙のどれと、この証拠書類が同じなのか調べてほしい、と。

紙は種類が多いですが、同じ種類の紙では、メーカーによる品質の違いはほとんどないのだそうです。

種類の判別はついても、メーカーはわからないことがしばしばあるのだとか。

事件とかかわりのある証拠の物件は多くの場合、小さい物か、試験にはわずかな部分しか使えないことが多いそうです。

紙を調べるには、非破壊試験と破壊試験があります。

非破壊試験なら、試験後試料をそっくり返却できるので望ましいこと。

非破壊試験では、紙の坪量、厚さ、密度などをまず調べます。

これでおおよその紙の種類は推定できるのだとか。

破壊試験は試料を切取り、化学分析や機器分析を行いますが、使える試料がわずかであると、まず、エックス線回折装置を使い、次に螢光エックス線分析装置で調べます。

これで試料の成分元素の種類と割合、墳料や塗料の成分が何であるかがわかり、試料がどんな紙か、上質紙か塗工紙かクラフト紙か判定できるのです。

ドコで作った紙なのか? 2

試料に何か付着している場合は、走査型電子顕微鏡やエックス線マイクロアナライザーで、その形態の観察と成分元素を確かめます。

これで大体どのような紙であるか、何が付着しているかは推定できるのだそうです。

次に試料をごく薄いアルカリで処理し、中和、水洗いしたあと、離解してプレパラートを作ります。

染色液で繊維を染めたのち、光学顕微鏡で繊維分析を行うと、紙の原料がどのようなパルプであるのか(針葉樹パルプか広葉樹パルプか、機械パルプか化学パルプか、晒パルプか未晒パルプか)がわかるのだそうです。

また、各パルプはどのような配合であるかがわかります。

そして、各パルプの原料木材の種類とおおよその割合を調べることもできます。

紙のプロ依頼された証拠紙製品は、上質紙にオフセット印刷し、薄く塗料を塗ったもの。

捜査で集めた紙は、ある地方の数社の工場の製品(上質紙)だったそうです。

試験結果したところ、非破壊試験結果も破壊試験の結果もいずれも類似していましたが、エックス線回折スペクトルで、てん料のタルクの随伴物である緑泥石(クロライト)のピーク高さに違いがあったそうです。

そして、証拠品と比較品のどれが似ている、と回答したのです。

すごすぎますね。

紙のプロ。

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